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2010年11月

頂く

水の無いだだっ広いプールの底で

真ん中にどでっと大きな炬燵が置かれており

それを取り囲むようにして

雑多にお布団が敷かれている

方々から脚を突っ込んでは

沢山の人達が眠っているという夢を見た

寝ながらにしてまた眠る

やっと出したおこたに潜り込んで

もう一度あの夢に戻れるかも

と微かな期待を抱きつつ

初めからゆっくりと反芻してみる。

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釣りに行った帰りに

近くのスーパーに立ち寄った

カートを押しながら

鮮魚コーナーを早足でしれーっと通り過ぎた私であったのに

わざわざ立ち止まり

パック詰めされた小鯵をまじまじと見遣り旦那ちゃんが一言

「買ったら386円」とぼそり

二人で見つめ合いながらふふふと笑い

「道中の楽しみと釣り上げた時の高揚した気持ちはプライスレスですよ」

と慰めた

鱗と内臓処理をして綺麗に水洗いした小鯵の口を

優しく指で閉じてあげていたのが印象的だった

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いつになく丁寧に丁寧に焼いた小鯵は

私達に食べられるのを

大人しく待っている。

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流れ星

結婚記念日の前夜祭

「これからも宜しくお願い致します」

とお互い言いながら恭しく頭を下げ合って

苺ショートケーキと抹茶ロールを頂く

サプライズで旦那ちゃんが可愛い花束をおずおずとプレゼントしてくれる

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その中の一本

ふんわりとした淡いオレンジ色の薔薇を

ごめんねと言いながらドライにするべく抜き取る

結婚記念日当日

気持ちよく晴れ上がったので

予定通り釣りへ

目指すは泉佐野食品コンビナート

阪神高速から見えるきりんを指差す

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海に面して半円が幾つも並ぶドラム岸壁にて釣り糸を垂らす

少し軽めの釣竿を借りて私もチャレンジ

大分と様になってきたと旦那ちゃんに褒められる

お世辞には違いないけれど

えへへと笑う

針にかかった小さな河豚

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怒ってぷくっと膨らむ

持参したお握りで腹拵えして

途中から彼がまた言葉少ななストイックモードに突入したので

私は愛車のドアを開け放って

海風にのってくる潮の匂いを感じながら読書する

一先ず釣果は小鯵数匹

旦那ちゃんが鱗を取って内臓処理を済ませてくれる

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午後五時をまわり

刻々と様変わりしていく海と

濃紺に染まりゆく空に

午後六時

『遠き山に日は落ちて』のメロディが流れ

物悲しさを誘う

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急激に空気が冷え込んできて

釣り人は夜釣り用に光る浮き(ケミホタルというそう)に付け替える

闇を切る迷いの無い放物線

流れ星と錯覚してしまいそうになるほどの一瞬の煌きに

つい不純な願い事をしてしまいそうになる。

きのう何食べた?(4) (モーニングKC)

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後光

「太陽の右側に虹が出てるよ」

とお仕事中の旦那ちゃんがメールで教えてくれる

擦れ違う車のフロントガラスに映っていて虹に気が付いたのだと

太陽の周りを後光のように取り囲むまあるい虹

だったそうだ

私が見上げた時にはかろうじてこれだけ

まだ残ってくれていて

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青空に自分で二つ目を描き加えたら

スマイルになるなと思ったりした

急に顔全体に直に光が降り注いだからか

太陽を見過ぎたからか

くしゃみがひとつ

「はっくしょん」

視界に黒い点が居座り

いつまでも消えないので

何度も瞬きをした

映画『マザーウォーター』を観終わって今日が終わるというのは

なかなかに素敵なことだった

「どこにいるの?」

「窓のそばにいるよ」

「何をしてるの?」

「何にもしてないよ」

とポプラに歌うマコトの子守唄

エンドロールでハンバートハンバートの『おなじ話』だと知る

「あすもあります」

明後日も

明々後日も

貴方がそう望みさえすれば。

六つの星星 ガラスの仮面(46) マザーウォーター オリジナル・サウンドトラック

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切実

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またも乾燥に悩まされる季節がやってまいりました

お出掛けついでに

天然わかさぎ温泉 笠置いこいの館へ立ち寄る

広々とした浴場は手すりやスロープが設置されていて

露天風呂は季節の変わり湯(行ったのは十月なのでカモミール湯)もあったりして

数人のおばあ様達と共に肩を並べてのほほんと温泉に浸かり微睡んだ

お風呂からあがると

途端に眠気がやってきてとろんと瞼が下りてくる

それはプールで泳いだ後と似ている

入浴というのは心地良いけれど

意外と体力を消耗するものなのだなと思う

ロビーでは

地元の小学生が描いた絵が

幸せそうに笑ってる

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切実に

お肌の潤いとハリを取り戻せ…るのか

かさかさかゆかゆ飛んでけばいばい。

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祝福

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十一月吉日

幼馴染の妹さんがご結婚された

その日の夜

お式の最中の様子と三姉妹が並んだお写真と

タキシードとウエディングドレスに身を包んだ新郎新婦が

私の描いたウエルカムボードを手に微笑んでいる写メールが届く

美しい花嫁さんとお花で可憐に飾り付けられたボードにいたく感激する

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自分にとっては何てことない今日でも

何処かの誰かさんにとっては

特別な日であったりするのだなとしみじみ思う

NHKBShi で放送された『愛と胃袋』の角田光代、江國香織の回を興味深く見る

角田さんは「結婚とは相手の腹具合を常に心配することである」と説く

そういわれてみれば

結婚してから私は旦那ちゃんの食のことばかり気にかけている

毎食後「お腹一杯になった?」とばかり阿呆のように繰り返し聞いているのだから

動く江國さんを初めて拝見した

想像していた通りの艶っぽい声と

発せられる印象的な美しい言葉の羅列

雰囲気のある佇まいにほーっとなる

「神様は細部に宿る」

そして

「執着する人間にこそ祝福は与えられるのだ」と。

チーズと塩と豆と 抱擁、あるいはライスには塩を

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神様

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色付く木々の

散りゆく木の葉の

暖色に

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一歩歩けば

秋に当たるといった按配。

誰も居ないと分かっていても

「ただいま」と言う

お家は生きているのだから

美味しい胡麻油を見付けたり

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茹で過ぎたプーさんの横顔パスタのしんなり感がそれはそれで美味しかったり

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可愛い動物シールを貰ったり

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来年の手帳をほぼ日手帳に決めたり

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福祉のチャリティバザーで買った木のお箸箱が愛用している曲げわっぱにぴったりで喜んだり

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している。

義父は

「人間は歳を重ねていく毎に神様に近付いていくんや」と言い

島根に住む母方の祖母は

祖父の写った写真を見て

「仏様みたいなお顔じゃね」と言い

旦那ちゃんは

「毎回毎回、今生の別れやと思って祖父母に接している」と言った

以前そう聞いた時

なんて大袈裟なと思ったけれど

大好きな人と接する時は

常にそのくらいの気持ちでいないといけない

と今回のことで痛いくらいに分かった

病院にいる

年老いて子供みたいになってしまった私達の神様は

日に日に元気になり

主に頑固で我が侭で

時に寂しがり屋で

そろそろお世話疲れで息切れし始めた家族は

祖父の言動を大目に見れるかといえば

それはまた別の話。

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秋深し

『秋深し 隣は何を する人ぞ』

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お隣に居る旦那ちゃんはストイックに釣りをしている

私は写真を撮ったり本を読んだり

三時のおやつに妹から貰った金毘羅さん土産の釣女(ナイスネーミング!)を食べたり

時折海を眺めては

自己と対峙する

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夕焼け小焼けのメロディが

和歌の浦の釣り人達に夕方五時を知らせ

♪小鳥が夢を 見るころは
空には きらきら 金の星♪

旦那ちゃんは太刀魚に狙いを定め

夜釣りに切り替える

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虹に始まり

虹に終わった

大人の休息日。

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