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逡巡

あの日から一ヶ月もの日々が経過していて

『笑点』の歌丸さんを見て「じじ様!」と思ったり

『ちびまる子ちゃん』の友蔵を見て「ああ、じじ様!!」と思ったりしながら

祖父のいない世界を私は生きている

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覇気の無い私を

旦那ちゃんが「いつもの温泉にお泊りで行こう」と外に引っ張り出してくれた

車内から見る景色はいつのまにかめっきり春の様子を呈していて

毎日少しずつ季節が廻っていくことも

頭上に広がる空に棚引く雲が刻々と形を変えていくことも

感じる心をすっかりどこかに置き忘れてしまったような感じで

それが私を少しだけ焦りにも似た落ち着かない気持ちにさせていた

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御所市の川縁でお花見をしながらお弁当をひろげて

盛りを過ぎてしまった桜が散らす花弁を宝物のように恭しく摘んで掌にのせてはまた飛ばす

を繰り返し

それはそれはきりがない

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温泉に到着すると

お不動さんのお祭りでお餅撒きがなされた直後だったらしく

大女将がお餅をお裾分けして下さる

渓谷に咲く桜の木を見ながら

久々の露天風呂に浸かってうーんと伸びをする

夕食の桜懐石に舌鼓

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この時期よく来られているらしい地元の方に

「電気をおとして窓際で畳に寝転がって見る夜桜は最高ですよ」と教えて頂いた通りにして

見た夜桜は昼間とはまた違った妖艶さを兼ね備えており

暗闇にひと際目立つ美しさでもって立っていた

上着を羽織って旦那ちゃんと夜のお散歩に出た

以前読んだ川上弘美さんの小説に出てきた

「好きな人が死ぬと、すこし、自分も死ぬのよ」

その一文をまた思い出して

本当にその通りだと思った

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少し死んでしまった自分の一部は

冷たいけれど

どこか温かいに違いない

大切な人と共有しているかけがえのない一部分なのだから

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桜はとうに散り

今は浜辺一面這うように夕顔の花が咲いている。

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一憂」カテゴリの記事

コメント

この度はご愁傷さまでした。

心をどこかに置き忘れたまま日々過ぎてる気分だね。

亡くなった人がいない世界を生きてるのも不思議な感じがするし。長い夢をみてるようでもあるし。

今は亡くなった人の温もりとかを忘れてしまう事が怖い…。

投稿: チャーリー | 2011/05/11 18:13

>チャーリー様

こちらこそです。
チャーリーもまだ心の整理が十分に出来てないやろのに、メールやコメントをどうも有難う。

この世界で逢えなくなったとしても、ぬくもりを少しくらい忘れてしまっても、同じ血がこの体の中に流れてる。
自分が生きてる限りね。
だから、大切に大切に生きよう、大切な人達との思い出を胸に。

投稿: 水玉 | 2011/05/14 21:01

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