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この度、東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

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祖父が亡くなった

2011年4月5日のことだ

早朝に危篤の知らせを受けて

旦那ちゃんと病院へ駆けつける

ナースセンターのすぐ隣にベッドが移動していて一瞬激しく動揺してしまう

嵌めてきた手袋を外し

寒がりのじじ様をびっくりさせないように自分の手がちゃんとあたたかいかどうか確認してから

お布団から手を差し入れて湯たんぽの上にのせられた手を見付けそっと握る

「来たよ」高めの声で耳元で囁く

膜がかかったように白っぽく濁った目から涙が幾筋も流れ落ちる

「もうそんな頑張らんでいいよ」と言ってしまいたかった

思い返してみると私が病院にお見舞いに行く日はなぜかじじ様の調子が優れないことが多く

手を握ることで意思の疎通を量っていた

痛みの波がやってくると

懸命に耐えているのだろう握しめられる手が痛くて

喉から出るくぐもった声がひどく苦しげで

一緒に病魔と闘っているかのように私の手は熱くなった

その驚く程の握力をこの先私は一生覚えているだろうと思う

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入れ替わり立ち代りやってくる家族や親戚の顔を一通り見て

日付が翌日に変わろうとする頃

静かに息を引き取った

幸せな最期だったと思うから

そう思いたかったから

涙なんか出なかった。

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